2019.9.9
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平成30 年度税制改正では、給与収入が850 万円を超える場合の給与所得控除額が195 万円に引き下げられました。ただ、一定の給与所得者には給与所得控除の上限額の引き下げによる負担増が実質的に生じないようにするための措置が講じられています。それが、「所得金額調整控除」です。
所得金額調整控除は年末調整において適用が可能で、新たに所得金額調整控除に係る申告書の提出が必要となり、令和2 年分以後の、つまり来年の所得税から適用されます。 この控除は、その年の給与等の収入金額が850 万円を超える居住者で、次のいずれかに該当する場合に適用されます。
① 本人が特別障害者の場合
② 23 歳未満の扶養親族を有する場合(16歳以上という要件はなし)
③ 特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族を有する場合
給与等の収入金額(1,000 万円超の場合は1,000 万円)から850 万円を控除した金額の10%に相当する金額が、給与所得の金額から控除されます。
また、この控除は、従来の扶養控除とは異なり、2 以上の居住者の扶養親族に該当する者がある場合、その者は、これらの居住者のうちいずれか一の居住者の扶養親族にのみ該当するものとみなされていません。したがって、夫婦の両方が年収850万円を超え、夫婦に23 歳未満の扶養親族に該当する子どもがいるような場合は、夫婦の両方でこの控除の適用が可能となっています。
個人的には、従来の扶養控除も16歳以上という要件を外してもらえたら、広く子育て世帯が助かるのに…と思いました。
年々複雑になっている所得税、年末調整は対応に追われそうです。
橋本(文)
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